20代からはじめるつみたてNISA

  • この記事はこんな人におすすめ
    • つみたてNISAのメリットを知りたい
    • NISAの制度改正のポイントを知りたい
    • 資産形成に関する知識を身に着けたい

投資を始めるならつみたてNISAからがおすすめ

つみたてNISAなら「長期・分散・少額」投資が可能

「投資を始めてみたいけど何から始めればいいか分からない。」「将来に向けて資産形成してみたいけど損をするのがこわい。」そういったお悩みはありませんか?
別の記事でもご紹介した通り、投資は扱い方を間違えなければ決してこわいものではありません。言い換えれば、「長期・分散・少額」を守ればリスクを抑えながら資産形成できるはずです。そしてその「長期・分散・少額」に最もマッチする投資方法の一つが「つみたてNISA」です。このブログでは、20代から投資をはじめて10年超、資産を4,000万円まで増やした私がつみたてNISAについて分かりやすく説明しようと思います。

まず簡単に、「NISA」とは何かを説明します。NISAとは、個人が投資・資産形成をしやすくなるように国が始めた制度で、普通に投資するよりも税金がお得になります(この後で説明します)。NISAには2023年時点で「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、税金がお得になる限度額や、課税されない期間、対象となる商品などに違いがあります。ただしここで注意してほしいのが、一般NISAとつみたてNISAは同時に行うことができず、どちらかを選ぶ必要があるという点です。

ではそのどちらを選べばいいかというと、初めて投資・資産形成をしようと思っている人は、つみたてNISAを選ぶのがいいと思います。理由としては、①非課税の期間が長く(=長期投資に向いている=リスクを抑えられる)、②投資商品も一定の基準を満たした投資信託のみが対象となっている(=相対的にリスクが小さい、分散投資が可能)、③少額から開始可能(=損失額を抑えやすい)だからです。

つまり、つみたてNISAを使って投資をすれば、初心者でも比較的小さなリスクで資産形成を始められるということです。

つみたてNISAなら税金がお得

つみたてNISAの良いところは比較的小さなリスクで資産形成を始められるだけではありません。先ほどもお伝えした通り、NISAを使うと通常の投資よりも税金がお得です。

通常の投資では、売却で得た利益や配当金に対して、20%の税金がかかります。例えば、10,000円で買ったトヨタの株式が値上がりして、12,000円になったとします。そしてその時点でこの株式を売却したとすると12,000-10,000=2,000円の利益が得られますよね。これに対して20%の税金がかかるので、2,000×20%=400円の税金が引かれて、実質的な利益は2,000-400=1,600円ということになります。

また、売却する前に配当金を100円得ていたとしましょう。そうすると、通常の投資ではこの100円にも20%の税金がかかるので、100×20%=20円の税金が引かれて、実質的な配当金の額は100-20=80円ということになります。

このように、通常の投資では売却益や配当金に対して20%の税金がかかるのですが、つみたてNISAであれば、一定の上限までなら税金がかかりません。その上限とは①年間40万円以内の投資、②最長20年間の非課税期間です。

まず①ですが、毎月およそ33,000円までの投資であれば、その投資から生まれた利益に対しては税金がかからないということになります。投資を始めるときのセオリーが「ゼロになってもいいと思える金額から始める」ということを考えると33,000円もあれば十分かなと個人的には思います。

②については、つみたてNISAを始めてから20年間は①の効果が続くということです。それほどの長い期間にわたって税金がかからないというのがどれほど大きいかを計算してみました。年間上限額の40万円を3%で運用できたとしましょう。すると20年後の資産額はおよそ72万円にまで膨れ上がります。つまり、72-40=32万円の利益が生じたことになります(資産としては1.8倍になっていますね!)。これを売却した場合、通常であれば32×20%=64,000円の税金が引かれて、利益は結局およそ26万円まで減ってしまいます。しかしNISAであればこの税金が引かれないことになるので、非常にお得なことが分かりますね。

20代からつみたてNISAをはじめて「時間」を味方につけよう

投資で重要なポイントの一つは「複利効果」です。複利効果とは、投資で得た収益を更に投資にまわすことで、資産が加速度的に増えていく効果です。これだけだとピンとこないと思うので、具体的な数字で解説します。

手元に10,000円があったとして、これを年3%で資産運用したとします。すると1年後には10,000×3%=300円の収益が生まれますね。つまり、資産総額は10,000+300=10,300円になります。
この全額を同じく年3%で運用すると、更に1年後には10,300×3%=309円の収益が埋まります。したがって、資産総額は10,300+309=10,609円になります。
ここで大事なのは、1年目の収益が300円だったのに対し、次の年の収益は309円に増えているという点です。これを20年続けると、1年間の収益は526円まで増え、資産総額は18,061円にまで増えることになります。これが複利効果です。

このように、投資の複利効果を生かすと資産形成が非常にスムーズに進みます。そして複利効果を生かすためには、「時間を味方につける」、つまり投資をなるべく早く開始するということが最大のポイントになります。
例えば25歳から投資を始めれば、先ほどの通り20年後、つまり45歳のときに10,000円が18,061円になります。一方で40歳で投資を始めた場合、45歳のときには11,592円までしか増えないことになります。この例は元手が10,000円の場合ですが、毎月コツコツつみたてNISAに投資していれば、元手が更に増える分、より大きな差が出ます。

私が投資を始めたのも25歳のとき。当時はまだつみたてNISAがなかったので、(非課税の恩恵を受けない)投資信託の積み立てから始めましたが、月2万円の積み立てから始めて徐々に資産額を増やし、今では4,000万円の資産があります。これは決して毎日毎日パソコンに向かって「どの株式に投資しようか」「いつ買っていつ売ろうか」などと考えて達成したのではありません。年に1-2回程度積み立て額を検討し直したり、追加の投資信託の積み立てを始めたりしただけで、年間で3-4時間しか投資に時間を割いていないと思います。これを読んでくださっているあなたも、まずは口座開設から始めましょう。

NISAの制度改正

2024年からNISAの制度が変わる

ここからは話が少し専門的になってきますが、2024年に予定されているNISAの制度改正について説明します。変更点はいくつかあるのですが、今ここで知っていただきたいのは①非課税期間の変更と、②生涯非課税限度額の変更です。

まず①についてです。非課税期間とは先ほど述べた通り、売却益や配当金に対して20%の税金がかからない期間のことですが、これまでの制度では、つみたてNISAの場合20年間の非課税期間がありました。つまり、投資を始めてから20年を超えた資産については売却益や配当金に対して課税が始まってしまうことになります。これに対して新しい制度では期間無制限で非課税になります。

次に②についてです。生涯非課税限度額とは、簡単に言ってしまえば、一生のうちにNISAの制度を使って投資できる限度額(=つまり売却益や配当金に税金がかからない投資額の上限)のことですが、これまでつみたてNISAでは800万円の限度額が設けられていました。これに対して新しい制度では限度額が1,800万円まで広がります。

NISAの制度が変わる前に生涯投資枠を活用しよう

そして今回の制度変更で大きいのは、上記②の生涯非課税限度額が、今の制度の分も新しい制度の分も両方使える点にあります。今の制度の生涯非課税限度額は800万円ですが、1年で使えるのは40万円までですので、2023年につみたてNISAを開始すれば、「今の制度の年間上限額40万円」+「2024年からの新制度の生涯非課税限度額1,800万円」=1,840万円が一生のうちに非課税の対象になるということです。これが2024年に開始した場合だと1,800万円止まりです。
この40万円の差が大きいのは先ほど述べた通りで、3%で運用した場合には約6万円を税金として支払うか、手元に置いておけるかの差になってきます。だからつみたてNISAを開始するなら今しかありません。

つみたてNISAの注意点

最後につみたてNISAの注意点を3点述べておきます。まず一つ目は、NISAを始めるには専用の口座を開設する必要がある点です。単に証券会社に口座を作るだけではだめで、決まった手続きでNISA専用の口座を作ることになります。そういう意味では始めるまでの手間はかかりますね。

もう一つは、NISAの口座はひとり1口座しか開設することができない点です。ネット証券ごとに色々な特典や特徴がありますが、NISAの口座を作れるのは1つの証券会社のみとなります。ですので、どの証券会社を選ぶかはご自身の目的に応じて選ぶといいでしょう。楽天ポイントを多く活用している人なら楽天証券、住信SBIネット銀行をお使いの方ならSBI証券がおすすめです。ちなみに私はマネックス証券を使っていますが、こちらも使い勝手はいいですし、操作が分からないときなどのコールセンターは非常に親切かつ分かりやすいです。利用に応じてポイントも貯まり、Amazonギフトカードやdポイントに交換できるのもありがたいですよ。

最後の注意点は、投資商品が投資信託に限られるということです。だんだん投資に慣れてきて、株式やETF、仮想通貨などに投資したいと思った場合に、つみたてNISAでは投資できません。ただし、株式とETFについては、2024年からの制度であれば「成長投資枠」という株式・投資信託・ETFに投資できる非課税枠もできるので問題ないでしょう。一方で仮想通貨はいずれにしても対象外となります。

まとめ:まずはネット証券でNISA口座を開設しよう

以上、「20代からはじめるつみたてNISA」と題して、「長期・分散・少額」投資が可能(=リスクを抑えやすい)で、かつ税金もお得なつみたてNISAについて説明してきました。そもそも投資は早くから始める方が複利効果のおかげでお得なのですが、特につみたてNISAは制度変更もあるので、2023年に始めるのが賢い方法です。是非、まずはネット証券でNISA口座を開設して、投資への第一歩を踏み出して下さい。このブログを読んで下さった皆様がこれを機に投資を始めて、資産を着実に形成されることを願っております!

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